シンシアリー
「はい、王妃様」
「コースチャから見せてもらった地図によると、ラビアラ王国は、エストゥーラの南の国境先に位置しているの。つまり、ラビアラはエストゥーラの隣国なのよ。エストゥーラとは当然交流があるはずなのに、3ヶ月前の結婚祝賀宴に、ラビアラの国王様はもとより、関係者も来ていなかったわ。誰一人として。おかしいとは思わない?」
「それは先程宰相が仰ったように、運河の使用権を巡って対立しているからじゃないですか?」
「そうね。ただ、こちらが招待をしなかったのか、それとも、あちらが招待を拒んだのか・・・。さっきの言葉といい、運河だって・・・。この国は、私が思っていた以上に深刻な・・崩壊の危機を迎えつつあるわ」
「残念ですが、俺もそう思います」

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