シンシアリー
一方で、4歳のときに初めて羽根ペンをねだり、いつも図書室で本を読みふけっているレティシアが、賢者並みに知能が高い子であることを見抜いているゼノスは、信頼しているセイヴィアー騎士長官から「姫様の賢さは、もっと伸ばして上げるべきです」と何度か言われていたこともあり「そうだな」と言った。

・・・セイヴィアーが言っていたように、全てはレティシアのために。そしてゆくゆくは我が公国のためになるはずだろう・・・。

「さあ大公様。子の話はもう終わりにしましょう。今からわたくしたち、大人の時間ですわ・・・ゼノス様。愛してください、わたくしを」
「ああ。アレッシア・・・」

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