シンシアリー
「・・そう言えば。レティシアが“勉強をしたい”と言っているのだが・・どうしたものかな」
「あら。勉強させればよろしいじゃありませんか」

・・・そうすれば、ますますあの娘(こ)に関わらずに済むわ・・・。

自分の利益になることに関しては、しっかりと計算できるアレッシアは、普段からレティシア姫のことを邪険に扱っていたが、ゼノス大公の前では決してそんなそぶりを見せなかった。
そして、レティシア姫とはなるべく関わらないようにしているアレッシアは、姫がどれほど賢い子であるかを知らなかった。
レティシアのことを「バカな娘(こ)」と見くびっていたのだ。

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