シンシアリー
「確かに公妃様のおっしゃるとおり、いくら私が勉強に励み、どんどん知識を蓄えていったところで、将来的にはそれらがこの国の役に立たない可能性は高いでしょう。しかし学校とは、知識を仕入れるだけの場ではないと、私は思っているのです。私が思う学校とは、知識を仕入れ、教養を養い、社交性を身につける場。将来、私が誰かの家元へ嫁ぐ際、ザッハルトの名を持つ私が“低教養”で“社交性に欠けていて”は、国の恥になる、ひいてはお父様も恥ずかしい想いをされることになると、私は思うのですが・・お父様はどうお考えですか?」
「うむ・・それも一理あるな。が、おまえはまだ12歳だ。学校へ行くのは早過ぎはせぬか?その点はどう思う、スファイトスよ」
「姫様程の高い知能があれば、12歳のお子様でも、しっかり学業をこなせるはずでございますので、ご心配なさらなくとも大丈夫かと」
「そうか・・・。して、レティシアよ。どの学科を学びたいのだ?」

レティシアは、満面の笑みを浮かべながら「まずは医学から」と答えた。

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