シンシアリー
「医学か」
「ラザラス伯爵の支援で去年北部にできた学校は、先生方の教えも上手く、向上心の高い生徒が集まっていて、とても評判が良いと聞きました」
「確かに。北部のあそこなら、私もお勧めできます。まだ新しい故、自由を求めて暴動を起こす者も皆無だとか」
「成程。そこまで調べてあるのなら、レティシアよ、学校へ通うことを許可しよう」
「ありがとうございます、お父様!」

しかし、レティシアはまだ12歳であること、そしてザッハルト家の姫であることを考慮したセイヴィアー騎士長官の計らいにより、姫は騎士二人の護衛つきで、北部にある学校へ通い始めた。
そこでレティシアは、思いがけない人物と再会を果たす。

「・・・ユーグ・・・?」

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