お前の涙、俺だけに見せて


椛さんは私の隣に座る。



近くで見たら、やっぱり美少女だなあ。



「なに話したか聞いても?」


「世間話みたいなもんだよ。あとは、三神がずっと花さんの自慢してた」



わお。


これは反応に困る。



「で、わかったの。三神が花さんに溺愛してるんだったら、どれだけ頑張ったって無駄だって」



……なるほど。


結果オーライじゃないですか。



「私、イケメンをそばに置いておきたいって気持ちはあるけど、やっぱり花さんみたいに、誰かに愛されたいの。だから、セン君はいらない!」



満面の笑みで、とんでもないこと言い切ったね、椛さん。



「あ、セン君って言っちゃった」


「そういえば、三神って言ってたね」


「いい加減やめろって言われちゃって。花さん、嫌だったんでしょ?てか、ここでも花さんかよ!って言いかけたけど」



嫌……と言えば嫌なのかな。


こう、特別感のある呼び方ができるのが羨ましかったんだよね。



「そういうわけだから。そうだ。もし機会があったら、遊んでくれる?」


「もちろん」



そして、私たちは連絡先を交換し、別れた。

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