ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「ボクが技術者として驚いているのは、データの蓄積率とパターン分析の効率が想像以上だなってコト」

と、所長がこっちを振り返ってニッコリ微笑みかけてきた。

「もちろん、ずいぶん可愛らしくなったなってコトが一番うれしいんだけどね」

とニヤけた笑みを見せる所長。つられて微笑んで返すと、所長がタバコをフーッとふかしてきた。

「どうだい、今までミライと暮らしてみて。何か違和感を感じる事はあったかい?」

と所長の質問に、今日のオープンカフェでの出来事が思い浮かんだ。

「暑かったら服を脱ぐって判断は、自分では出来ないんですか?」

と問い掛けると、所長が首を振って返してきた。

「いやいや、そんな訳ないよ。暑さ寒さに対処する行動パターンは基本だからね。ホントに出来なかったのかい?」

とまじまじと見つめ返してくる所長。

「ええ、今日オープンカフェに座った時に。暑かったら上を脱ぎなよって僕が言うまでジャケットを脱がなかったんですけど」

説明すると、所長が首を捻ってきた。

「ウ~ン。脱ぎたくないって判断する要素が何かあったのかなぁ…」

と顎に手を当てる所長。脱ぎたくない要素と言えば。

「ミライって、胸元を見られたくないって思ったりするんですか?」

聞くと、所長が大きく頷いた。
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