ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「ボクは誰かに、この子の最終の耐久試験をお願いしようと思ってたんだよ」

耐久試験?

「人間としての立ち振る舞いを、この子が長い期間に渡って完璧にこなしていけるかどうか、メカニズムが耐えていけるかどうか、それを確認したくってね」

って、そういう試験は確かに必要なのかもしれませんけど。と所長がニッとニヤけて続けた。

「で、せっかくだったら君の所で、研究の手伝いをさせて耐久試験をして、ついでにデータも戴いて人工知能の改良に活かして行こうと、まあ一石二鳥を狙ったワケさ」

と所長。なるほどそういう魂胆ですか。

「…それならそれで、何で初めから彼女がロボットだって言ってくれなかったんですか」

だったら構え様もあったのに。なんで正体を隠すようなマネをわざわざ。

「教授からの提案なんだよ。君を二段階で驚かせたいってね」

教授が?二段階で?…また何を考えてるんだかあの人は。

「まず第一段階は君を驚かせる事。こっちから正体を話すまで気づかないだろうから、思いっきり驚かせてやろうってね。これは大成功かな」

とニッコリと微笑みかけてくる所長。

「ええ。まんまとしてヤラレましたよ。まさか騙されるなんて思いもしませんでしたから」

マッタク、企む教授も教授なら、乗っかる所長も所長ですよ。

「褒め言葉と受け取っとくよ」

と笑みをこぼした所長が、一呼吸置いて口を開いた。
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