ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
 タクシーを飛ばして研究所に駆けつけ、ミライを連れて研究室へ駆け込んだ。

「おっ」

前室を通り抜けて扉を開けたすぐの所に、所長と本田君とクワンが並んで待ち構えていた。

「待ってたよ。さあ、みんな始めよう!」

と所長の声に研究員たちがバッと動き始め、場に活気が漲った

「な、何を始めるんですか?」

慌しい雰囲気に押された。

「感じるココロのプログラムを組むのに、ミライの今のデータ状況がどうしても必要になってね」

と奥に向かって歩きながら答える所長。

「じゃあもう、そんなところまで出来上がってるんですか!」

スゴイじゃないですか。

「ボクの頭の中ではね。これから一気に形にしてみせるよ」

と歩きながら振り向いて瞳をキラめかせる所長。

「形っていうのは?」

一体どんな?

「詳しくは後で話すよ」

って所長、またスカす~。

「さあ、まずはミライをセーフモードで再起動だ」

と声を上げた所長が円筒形の台座の前へ寄って振り返ってきた。

「え、ああ、はい」

頷いて返してミライを台座の上に導く。とミライが台座の真ん中に上がりこちら向きに立った。僕も正面に向かい合うように立つ。と後ろに来た所長が、僕の肩にポンと手を置いてきた。
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