ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
刺激を受けたカラダに変化が起こって、それをココロが感じ取れるようにする訳ですか。

「電圧を、トリガーにして?」

そこがちょっと機械的で気に掛かるんですけど。と所長がグッと身を乗り出してきた。

「そうだよ。人間の感覚信号も一種の電気信号だし、それを感じた脳からホルモンが出て体が熱くなったりするんだ。ほら人間だって、ビビビッと来るなんて言うだろ?」

と微笑んでさらに続ける所長。

「見つめられるだけで体が上気してきて、思わず顔に笑みがこぼれる。同じ事をミライも感じられるようにするんだよ。人間が心で感じるのと同じように。もっと笑顔でいたいと思えるように。それが一番幸せな事なんだと思えるように」

と所長が見つめる視線の先に台座に立つミライの姿があった。耳にコードを繋がれて、周りで機器類や研究員たちがフル稼働している。

「ミライがそんなココロを持てる…」

じっと立っているミライが、新しい『笑顔』を見せる時が待ち遠しく思えてきた。
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