ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「君の課題はまず何より、これから一年間でこの子の問題点を一つ残さずあぶり出すことさ。で、オマケに何かヒントの一つでも見つけてくれたらいいな、ってぐらいに思ってるワケ」

と所長がパッと両手を広げ、すぐに腰に当てて構えた。

「なーに、気負う必要は無いんだよ。出来る事をしっかりやってくれればいいんだ。無理せず一つずつね」

と優しく微笑む所長の言葉に、フッとニヤけ返してしまった。

(出来る事を無理せず一つずつやってくれればいい、か)

教授と違って、優しい言葉を掛けてくれるじゃないですか。

「とにかく、色々と気を遣わないといけない場面も出てくると思うけど、まずは耐久試験の方、宜しく頼むよ。君を信じて任せるからさ」

と所長がニッコリ笑顔でポンッと肩を叩いてきた。

「ええ、わかりました」

所長がここの所長である訳が、なんとなくわかった気がしましたよ。
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