ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「じゃあ広海君、始めようか」
「そうね。久しぶりね」
と嬉しそうに頷く広海君。彼女が僕に微笑み掛けてくれたのはいつ振りだろう。カウンターの向こうでグラスを磨くマスターを遠目にグラスを重ねて、広海君との二人の時間が始まる。
「…」
ダウンライトの光がカウンターの上を丸く照らし出す中で、暫らく黙って料理を口へと運んだ。
「ねぇ先生」
と、広海君がおもむろに口を開いてきた。
「私、わかったの」
え?わかったって、何が?
「ロイのプログラムを作り直すのに使ってた、ミライの目のデータを見てわかったの」
と手を止めてこっちを向く広海君。
(?)
と、広海君が手を止めたまま、僕をまじまじと見つめて口を開いた。
「ミライの目には、いつも私を気に掛けてくれてる先生が映ってた。先生はずっと、私を見ててくれてたのよね」
と照れたようにちょこんと首を傾げる広海君。
「そうか、わかってくれたのか!」
ミライの目には映ってたんだ、広海君を想う僕の姿が!
「そうだよ、僕は君をずっと見てたんだよ」
良かった。傍で見ていたミライの目が証明してくれたんだ。
「そうね。久しぶりね」
と嬉しそうに頷く広海君。彼女が僕に微笑み掛けてくれたのはいつ振りだろう。カウンターの向こうでグラスを磨くマスターを遠目にグラスを重ねて、広海君との二人の時間が始まる。
「…」
ダウンライトの光がカウンターの上を丸く照らし出す中で、暫らく黙って料理を口へと運んだ。
「ねぇ先生」
と、広海君がおもむろに口を開いてきた。
「私、わかったの」
え?わかったって、何が?
「ロイのプログラムを作り直すのに使ってた、ミライの目のデータを見てわかったの」
と手を止めてこっちを向く広海君。
(?)
と、広海君が手を止めたまま、僕をまじまじと見つめて口を開いた。
「ミライの目には、いつも私を気に掛けてくれてる先生が映ってた。先生はずっと、私を見ててくれてたのよね」
と照れたようにちょこんと首を傾げる広海君。
「そうか、わかってくれたのか!」
ミライの目には映ってたんだ、広海君を想う僕の姿が!
「そうだよ、僕は君をずっと見てたんだよ」
良かった。傍で見ていたミライの目が証明してくれたんだ。