ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「え、何ですか?」

気に入った?

「ウン。今の『惜しいなあ』って君のセリフがね」

とニッと笑みを見せる所長。一体どういう事ですか?

「今の『惜しい、もうちょっとで何とかなりそうだ』って気持ちが次の新しい発見を生み出す原動力になるんだよ。ウン。君には素質がある。きっと何か見つけ出してくれる。そんな気がするよ」

とまじまじと見つめてくる所長。

「そ、そうですか?」

嬉しい事を言ってくれますね。

「そうさ」

と所長が、サッと歩み寄って肩を叩いて来た。

「きっとうまくいく。そう信じることさ!」

と笑顔で声を張る所長。所長の熱い眼差しから伝わってくる気持ちに、思わずその気になっちゃいますよ。

「ええ。そうですね。頑張りますよ」

そんな言葉が自然と口から出ていた。

「じゃあボクは帰るからさ。これから先は宜しく頼むよ。じゃあねミライ」

と手を振って扉から出て行く所長に、ミライが笑顔で手を振り返していた。
< 50 / 324 >

この作品をシェア

pagetop