ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「そうですよねえ。見てルミちゃん、指もこんなに細くてキレイよ」

と広海君が、ミライの手を取って撫で始めた。

(うわあ、何する気だよ)

ミライが触られているだけで胸騒ぎがする。何しろここには二人の院生もいるんだ。今バレたら、おしゃべりな彼女たちの口を塞ぐなんて不可能だよ。

「産まれたてみたぁい。髪の毛だって、…」

と髪を撫で始めた広海君が手をピタッと止めて、不思議そうにジーッと眺め出した。

(ワッ!)

そんなにじっくり見られたら、さすがにマズいんじゃないか?

「…ねえミライさん、日本に来ていい美容室どこか見つけた?」

「ううん」

「じゃあ今度紹介してあげるね」

とにっこり答える広海君。どう思ったのかわからないけど、とりあえずセーフみたいだ。

(…いや、待てよ、美容室紹介される方がマズイような…)

プロの美容師の目はさすがにゴマかせない気がする。

(ま、まあ、その時何とか言ってゴマかすしかないか)

マッタク次々と難問奇問が続くよ。
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