ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「ねえミライさん、ケータイの番号教えてくれない?」

と僕なんかそっちのけで話を進める院生たち。

「ごめんなさい。私ケータイ持ってないの」

と首を振るミライに、院生の二人がビックリした顔になった。

「ウソ、持ってないのぉー?!ホントにぃ?」

「じゃあ連絡取りたい時はどうするの?」

とそこで、広海君がグイッと机の上に身を乗り出してニヤけた。

「先生のケータイに掛ければいいのよぉ。もう一緒に住んでる仲なんだってぇ!」

な、何て言い方するんだよ!

「ええーっ!一緒にぃ?どういうコトぉ???」

ほらやっぱり。ツッ込まれて当然だ。

(確信犯だなコイツは!)

勘弁してくれよ広海君~。

「付き合ってるの、先生?」

いやいや、そうじゃないよ。ウ~ン、どうゴマかそう。

「いや、彼女とは一年間の共同研究だからさ、その間だけでも大学の近くにいた方がいいかなって、」

「だからって一緒に住まなくたっていいんじゃない?普通しないでしょ、そんな同棲みたいなこと」

ウッ。

(マイッタ。何かイイ言い訳ないかな…)

と考えあぐねていると、奥から教授の咳払いが聞こえてきた。
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