探偵喫茶へようこそ


知由の提案に、正広は次々賛成あるいは納得していく。


その状況が、やはり雪兎は気に入らなかった。



「出来るか?」


「暇そうなやつを何人かやろう」



その言葉を聞いて、知由は疑いの目を向ける。



「……役に立つのか?」


「……それなりに」



そして二人揃って苦笑した。



「まあいい。頼んだ」



知由は立ち上がり、帰ろうとする。


そこにすかさず、正広が問いかけた。



「成瀬は今どこにいる?」



これを知らなければ、どれだけ知由の協力をしようとしても、行動に移せない。


知由はそれを忘れていた。



「ここの撮影スタジオだ」



スマホで地図を出し、指をさした。



「了解。あとは?」



それにはさすがの知由も驚いていた。


そして、参ったというように鼻で笑った。



「……バレていたか。誘拐犯であるあの女に会わせろ」


「会ってどうするつもりだ?」


「大したことじゃないが……無理か?」



知由の目的。

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