探偵喫茶へようこそ
「洋一くん……ありがとう」
それにつられるように、夢里も微笑んだ。
だが、若干目に涙を浮かべている。
洋一の言葉が相当嬉しかったのだ。
「ま、正直自信ないけど」
「それは私も一緒だよ」
それから二人は夢里の実家に行き、事情を話した。
夢里には母親しかいないため、一対二の状態だった。
「夢里……あなた、何考えてるの!」
全てを聞き終えた母親、京子は、大声をあげた。
お母さんも喜んでくれる、協力してくれると心のどこかで思っていた夢里は、この反応に体が強ばった。
「あなたはまだ高校生なのよ!? それなのに、妊娠するだけじゃなく、その子を育てたいだなんて……無理よ!」
だが、その言葉を聞いて、夢里は反論せずにはいられなかった。
「そんなの、やってみないとわからないでしょ!?」
夢里が言い返してくるとは思っていなかった京子は少し驚いた。
そして、頭を抱えてため息をついた。
「その子を育てるお金は? 環境は? 本当に、あなたの力で育てられるの?」
夢里は返す言葉がなくなり、下唇を噛んだ。
「子供が子供を育てるなんて出来ないのよ」