探偵喫茶へようこそ


「あなたが夢を叶えたとき、教えてあげるわ」



でも、京子は折れずにそう言った。



「そんな……! 酷いよ……!」


「酷い? 高校生で子供を産んで、ほとんど親に力を借りないといけない状況のほうが、よっぽど酷いじゃない」



言葉が見つからない。


夢里も、洋一も。



まだ数ヶ月しか経っていないのに、もう京子の言う通りになってしまった。



「知由にとっても、夢里にとってもこれが一番よ」


「それは違う! 何があっても、一緒にいることが、私たちにとっての一番! お母さんが勝手に決めないで」



さっきまで正論叩かれて、俯くことしかしていなかった夢里が、真っ直ぐ京子の目を見て言った。



「だったら早く夢を叶えることね」



だけど、やはり教えてくれることはなくて、京子はそのままどこかに行ってしまった。



「知由……」



夢里はその場に膝をつき、座り込んだ。


洋一はそんな夢里のそばに座り、背中をさすった。



「夢里の夢って、何?」


「……女優。お母さんも知ってる」


「俺もサポートするから、その夢叶えて、知由に会いに行こう?」



洋一のその提案に、夢里は笑顔を見せた。



「うん……!」

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