探偵喫茶へようこそ
そして五年の月日が流れた。
夢里は手元に残っていた、数枚の知由の写真をお守りに、高校を卒業し、女優を目指してきた。
そしてやっと、『夢郷未咲』の名が有名になり始めた。
「お母さん! もう、知由を預けた施設、教えてくれてもいいでしょ……?」
夢里はリビングでテレビを見ていた京子に、尋ねた。
女優としてはし役だったが、ドラマに出演した日から、夢里は何度も同じ質問をしてきた。
初めは二ヶ月に一度。
それが毎月になり、二週間に一度……と、徐々にこの質問回数は増えていった。
そして、とうとう毎日のように聞くようになった。
「……そうね、わかったわ」
京子は立ち上がり、手帳に挟んでいた地図を夢里に渡した。
「ここに預けたわ」
「洋一くん!」
「早く行こう」
二人はいてもたってもいられず、家を飛び出した。