探偵喫茶へようこそ


信じられなかった。


施設に預けただけでも許せなかったのに。


知由が捨てられたと感じてしまうようなことをしたことに、怒りが抑えられなくなった。



「なんてことをしてくれたんですか!」



珍しく大声で、それは京子を脅かした。



「洋一くん……? 大きな声出して、どうしたの? 知由がびっくりするよ」



すると、窓辺で空を見ていたはずの夢里が、疲れきった顔で言った。



さすがの洋一も、夢里のフォローが出来ないくらい、動揺した。


京子もまた同じだ。



「夢里……? 知由はいないよ……?」


「何言ってるの? ちゃんといるよ、ほら」



そう言って夢里は一箇所を指さすが、そこに知由はいない。



夢里は脳内でそこに知由がいる、そう思っているのだ。



「そこまで追い詰められているのか……?」


「ごめんね、夢里……ごめんなさい……」



洋一は今までのように夢里に寄り添って、言葉をかけることが出来なかった。


そして、京子は自分がどれだけのことをしてしまったのかを感じ、何度も泣いて謝った。


< 133 / 156 >

この作品をシェア

pagetop