探偵喫茶へようこそ


「わかります! 美味しいですよね」



すると、今日は客として喫茶店に来ていた夏芽が同意した。



「そんな、僕なんかまだまだです」



雪兎は恥ずかしそうに笑う。



「そう言えば、雪兎さんって知由の……」


「義兄です。そして、僕がちぃちゃんにうちに来ないか、と誘いました」



雪兎は包み隠さず話した。


まあ、隠す必要もないことではあるが。



「そうでしたか……」



夢里はそう呟いて、またコーヒーを飲んだ。



「余計なことを、なんて思ってないだろうな?」



知由は夢里の隣に座り、そう突っ込んだ。



「思ってないよ! 知由のそばで見守ってくれていた人に対して、そんなことは思わない」


「だが、ウサギがあたしを誘わなかったら、あたしはあのまま施設にいた。そして、会うことが出来たかもしれないのだぞ?」



知由の返しに、夢里は言葉を詰まらせた。

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