探偵喫茶へようこそ
反対側に回ると、ショートカットの女性が窓から中を覗いていた。
見ず知らずの子供が立っていることに驚き、尻もちをついた。
「いてて……あなたは誰……?」
彼女は中にいる滋に聞こえないよう、小さな声で知由に尋ねた。
「三崎知由だ。滋と一緒に、お前……堀夏芽を探しに来た」
知由は答えながら、夏芽の隣に座る。
「滋と……もしかして、滋が行方不明だった二年、一緒にいた?」
「あー……まあな」
「そう……」
初対面だからか、話すこともなくなり、二人は黙り込んでしまった。
「わかったー!」
すると、タイミングがいいのか、滋がそう叫んだ。
そして、知由に答えを確かめようと外に出てきた。
「みさきちゃん、わかった……って、夏芽!? どうして……」
「どうしてじゃないよ、滋のバカ!」
夏芽は滋に会えた嬉しさで、うっすらと涙を浮かべている。
「それで? 答えはわかったのだろう? 本人に確かめてみろ」
「あ、うん。この不自然に入ってる花の名前を、花言葉にするんだよね? 夏芽は花言葉に詳しいし、そうかなって」
「では、当てはめた文章を読んでみろ」