夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
……
…………。
こんな事になるなら、声を掛けなければ良かった……。と、罪悪感でいっぱいの俺。
でも。
ギルは振り返って、俺を見て微笑んだ。
「……ね、ヴァロン君!
少し時間あるかな?久し振りに話そうよ」
「え?あ、ああ……」
屈託のない、ギルの笑顔。
無神経な言葉を発した俺を決して責めない、嫌味のない表情。
俺は素直に返事をすると、ギルに誘われて片隅にある花壇に一緒に腰掛けた。
「……さっきの宝石箱ね。オルゴールになってるんだけど、奥さんと初めて一緒に観たミュージカルの想い出の曲なんだ」
隣に座っている俺に、ギルは話してくれた。
あの宝石箱に込められた、想いを。
「明るい里って書いて、”明里”って曲。
……実は、娘の名前はそこからとって”アカリ”なんだよね」
「……へえ」
幸せそうに、語るギル。