悪魔の囁きは溺愛の始まり
マリンのリーダーである春馬さんの進行の下、話が進められていく。

新事業という事もあり、マリン側も相当気合いが入っているように見える。


「水越、設計をもっと詰めろ。これでは青山インテリアさんも詰めれないだろ。」

「はい。」

「詳細は水越から直接説明を受けて頂く形で宜しいですか?」

「はい、今回は青山に直接説明を。」

「………水越。」

「はい。会議後、資料説明させて頂きます。」

「宜しくお願いします。」


軽くお辞儀をすれば、何故か手を振られた。

周りがジロジロと私と春馬さんを交互に見るのは当然か。


「水越。」

「はいはい。」


岡崎部長が強い口調で春馬さんを一喝するが、全く効いていないようだ。

『さすがは親友?』

会議後、春馬さんと一緒にオフィスへ向かった。


「青山、ロビーで待ってるから。」

「いえ、渡部さんはお先に……。」

「待ってる。しっかり聞いてこい。」


エレベーターに向かう渡部さんの背中を見送った。
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