悪魔の囁きは溺愛の始まり
結局、蒼大さん達の思惑通りだ。

一緒にお手洗いのあるショッピングモールを目指して歩き始めた。


「どこに宿泊してるの?」

「えっ?コンドミニアムを借りて。」

「俺らはここのホテル。いつでも遊びに来て。」


ビーチ沿いに立つ高級ホテルだ。

お金もあるって訳だ。

女には不自由してなさそうだ。


「どの辺り?まあ、この辺りだろうけど。」


確信めいた蒼大さんの言葉には頷かなかった。これ以上は危険な気がした。

チラリと琴音を見れば、かなり春馬さんに嵌まっているようだ。

嬉しそうに手を繋いで歩いている。


「音ちゃんが気になる?」

「えっ?」

「さっきから音ちゃんを気にしてるし。春馬だって常識はあるって。」


クスクスと笑う蒼大さんは愉しそうだ。まるで、彼らはゲームでも楽しんでいるかのようだ。

ショッピングモールのお手洗いを目指す。


「波、音、行こう。」

「俺らは待ってる。」


女子3人でお手洗いに入っていった。彼らの楽しそうな笑いが勘に障った。
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