嫌いなアイツとの恋愛のやり方
「失礼します。会議室の鍵をお願いします」

男性が1人、入口の方で佇んでいる様子。

徐ろに声がした人物に目を向けると、凛とスーツを着こなした男性。

「げっ… 」

あからさまに出てしまった声に、自分自身でもびっくりしている。

私の目の先にいるのは昨日粗相を起こしてしまった彼、五十嵐くんだった。

絶対に聞こえていたであろう、その声に対して顔色一つ変えずに催促してくる。

「三浦さん。 鍵 お願いできますか?」
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