嫌いなアイツとの恋愛のやり方
「……ククッ まさか洗濯物まで綺麗に畳まれているとは思ってもいなかったけど」

口に手をかざして含み笑いしながらも感じる目線に、思わず恥ずかしくなる。

「だ、だって! ……あんな ……悲惨な部屋だったら、誰でも気になるわよ」

確かにそこまでしなくても良かったのだけど。

彼は元気になってもあのままだろうなぁ…… なんて思ったら体が勝手に動いていた。

さすがに下着を扱う時は躊躇したけど。

マンションから出て会社までの道のり、嫌でも彼との目的地が一緒なのが憎い。

私の横を何の気なしに歩いている彼をチラッと見上げた。
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