お見合い結婚時々妄想
「お待たせしました。コーヒーで良かったかしら?」
「お母さん、ありがとう。悠太くん、コーヒー好きだもんね」
「はい。ありがとうございます」
妻がコーヒーを出していると、彼氏とやらは頭を下げ、持って来た手土産を妻に差し出した
「これ、お口に合うか分かりませんが、食べて下さい」
「あら、気を使わせて悪いわねぇ。遠慮なくいただきます。慎一郎さん、立ってないで座ったら?慎一郎さんが立ったままだと、上田くんがいつまでたっても座れないじゃない」
「……上田くん?」
僕が彼氏とやらを見ると、慌てて頭を下げた
「あ、自己紹介が遅れました。初めまして。上田悠太といいます。漢字は、上下の上に田んぼの田。悠久の悠に太い、です。祥希ちゃんと同い年で、同じ大学に通ってます。よろしくお願いします」
祥希ちゃんだと?
だが、深々と頭を下げる彼氏とやらに嫌な感じはないな
いやいや、まだ早い
まだ自己紹介されただけじゃ人となりは分からない
そう思っているのを悟られないように、また営業スマイルで彼氏とやらに声をかける
「初めまして。祥希子の父です。どうぞ座って、コーヒーをどうぞ」
「はい。ありがとうございます」
僕がソファーに座ると、彼氏とやらもソファーに座った
明らかにちょっとホッとしたような顔をしている
その様子がおかしいのか、祥希子はクスクスと笑っていた
「悠太くん、緊張しすぎ」
「そんなの当たり前だろ?そう言う祥希ちゃんは笑いすぎ」
何だろうな、この微笑ましい光景は
出来れば、僕のいないところでやって欲しいもんだ
それにしても、祥希子のこの表情
こんな顔は、ここ数年父親である僕には見せてはくれない顔だった
僕はそれを認めたくなくて、妻に話しかけた
「祥子は、彼の名前は知ってたの?」
「うん、祥希ちゃんから聞いてたから」
「じゃあ、教えてくれてたら良かったのに」
「あら、言ってなかったっけ?」
「聞いてなかったよ」
「もう言ったつもりでいたから、知ってると思ってた。ごめんなさい」
ふふっと笑って、妻が僕の隣に座る
祥希子と彼氏とやらの上田くんを見ると、2人も顔を見合わせて笑っていた
だから、僕の目の前でそんな光景は見せないで欲しいんだけど?
小さく息を吐いて2人に聞いた
「祥希子と上田くんは、付き合ってどれくらいなんだ?」
「お母さん、ありがとう。悠太くん、コーヒー好きだもんね」
「はい。ありがとうございます」
妻がコーヒーを出していると、彼氏とやらは頭を下げ、持って来た手土産を妻に差し出した
「これ、お口に合うか分かりませんが、食べて下さい」
「あら、気を使わせて悪いわねぇ。遠慮なくいただきます。慎一郎さん、立ってないで座ったら?慎一郎さんが立ったままだと、上田くんがいつまでたっても座れないじゃない」
「……上田くん?」
僕が彼氏とやらを見ると、慌てて頭を下げた
「あ、自己紹介が遅れました。初めまして。上田悠太といいます。漢字は、上下の上に田んぼの田。悠久の悠に太い、です。祥希ちゃんと同い年で、同じ大学に通ってます。よろしくお願いします」
祥希ちゃんだと?
だが、深々と頭を下げる彼氏とやらに嫌な感じはないな
いやいや、まだ早い
まだ自己紹介されただけじゃ人となりは分からない
そう思っているのを悟られないように、また営業スマイルで彼氏とやらに声をかける
「初めまして。祥希子の父です。どうぞ座って、コーヒーをどうぞ」
「はい。ありがとうございます」
僕がソファーに座ると、彼氏とやらもソファーに座った
明らかにちょっとホッとしたような顔をしている
その様子がおかしいのか、祥希子はクスクスと笑っていた
「悠太くん、緊張しすぎ」
「そんなの当たり前だろ?そう言う祥希ちゃんは笑いすぎ」
何だろうな、この微笑ましい光景は
出来れば、僕のいないところでやって欲しいもんだ
それにしても、祥希子のこの表情
こんな顔は、ここ数年父親である僕には見せてはくれない顔だった
僕はそれを認めたくなくて、妻に話しかけた
「祥子は、彼の名前は知ってたの?」
「うん、祥希ちゃんから聞いてたから」
「じゃあ、教えてくれてたら良かったのに」
「あら、言ってなかったっけ?」
「聞いてなかったよ」
「もう言ったつもりでいたから、知ってると思ってた。ごめんなさい」
ふふっと笑って、妻が僕の隣に座る
祥希子と彼氏とやらの上田くんを見ると、2人も顔を見合わせて笑っていた
だから、僕の目の前でそんな光景は見せないで欲しいんだけど?
小さく息を吐いて2人に聞いた
「祥希子と上田くんは、付き合ってどれくらいなんだ?」