お見合い結婚時々妄想
嫌だ嫌だと思いながらも時間は過ぎていき、あっという間に週末になってしまった
息子の太一朗は生徒会の用事があると学校に行き、次女の祥瑛子は友達と約束があると出掛けて行った
聞けば、2人とも祥希子の彼氏には会った事があるというのだ
子供達は幸いにして仲が良く、太一朗と祥瑛子の2人でよく祥希子のアパートに遊びには行っていた
多分その時に会っていたんだろう
「知らなかったのは僕だけだったなんて……」
「慎一郎さん、まだ拗ねてるの?」
「拗ねてる訳じゃない」
「もうすぐ祥希ちゃん達来る時間なんだから、ちゃんと迎えてあげてね」
「分かってるよ」
そう言って僕はリビングの窓から庭を見る
アメリカから帰って来た時に、郊外に一軒家を購入した
アメリカで住んでいた家が庭付きの一軒家だったし、何よりも子供達の事を考えると、郊外の方がいいと思ったからだ
今でもまだ小さかった子供達が庭で楽しく遊んでいた姿が目に浮かんで来る
そんな事を思い出していると、祥希子とその彼氏とやらが歩いて来ているのが見えて、慌ててソファーに座り、テレビの電源を入れた
「なあに?慎一郎さん。テレビなんかつけてどうしたの?」
『ピンポーン』
タイミングよく鳴ったチャイムで、祥子は何かを察したのか、小さく笑って「は〜い」と言いながら玄関へと向かった
玄関で3人が会話している声が聞こえてくる
流石に僕も出迎えなければと、ため息をつきながらテレビを消して、リビングから顔を覗かせた
「あ、お父さん。ただいま」
「お帰り。祥希子」
祥希子に声をかけると、隣で緊張した顔の彼氏とやらが頭を下げた
彼氏とやらの第一印象
『これが塩顔イケメンって奴か?』
とりあえず見た目は合格ってとこか
ピアスだらけで、チャラい格好でもしてたら問答無用で追い返せてたのに
内心舌打ちをしながら、彼氏とやらに営業スマイルを向ける
「いらっしゃい。祥子、そんな玄関先で話さなくても、早く上がってもらったら?」
「そうね。どうぞ上がって下さい。すぐお茶いれるから。祥希ちゃんも早く」
「うん。悠太くん、どうぞ」
「あ、うん。お邪魔します」
ほう、彼氏とやらは『悠太』っていう名前なのか
キラキラネームじゃないってことは、親御さんはしっかりしているんだろう
ますます面白くない
いや、いいことなのか
どっちなんだ?
「……郎さん。慎一郎さんってば」
「ん?え?祥子?どうした?」
「何ブツブツ言ってるの?」
「あ、ごめん」
「おかしな慎一郎さんね」
そう言って妻は軽く笑いながら、コーヒーを持って行ってしまった
僕もその後をついていく
祥希子と彼氏とやらが楽しそうに話しているのを見て、またため息をついた
息子の太一朗は生徒会の用事があると学校に行き、次女の祥瑛子は友達と約束があると出掛けて行った
聞けば、2人とも祥希子の彼氏には会った事があるというのだ
子供達は幸いにして仲が良く、太一朗と祥瑛子の2人でよく祥希子のアパートに遊びには行っていた
多分その時に会っていたんだろう
「知らなかったのは僕だけだったなんて……」
「慎一郎さん、まだ拗ねてるの?」
「拗ねてる訳じゃない」
「もうすぐ祥希ちゃん達来る時間なんだから、ちゃんと迎えてあげてね」
「分かってるよ」
そう言って僕はリビングの窓から庭を見る
アメリカから帰って来た時に、郊外に一軒家を購入した
アメリカで住んでいた家が庭付きの一軒家だったし、何よりも子供達の事を考えると、郊外の方がいいと思ったからだ
今でもまだ小さかった子供達が庭で楽しく遊んでいた姿が目に浮かんで来る
そんな事を思い出していると、祥希子とその彼氏とやらが歩いて来ているのが見えて、慌ててソファーに座り、テレビの電源を入れた
「なあに?慎一郎さん。テレビなんかつけてどうしたの?」
『ピンポーン』
タイミングよく鳴ったチャイムで、祥子は何かを察したのか、小さく笑って「は〜い」と言いながら玄関へと向かった
玄関で3人が会話している声が聞こえてくる
流石に僕も出迎えなければと、ため息をつきながらテレビを消して、リビングから顔を覗かせた
「あ、お父さん。ただいま」
「お帰り。祥希子」
祥希子に声をかけると、隣で緊張した顔の彼氏とやらが頭を下げた
彼氏とやらの第一印象
『これが塩顔イケメンって奴か?』
とりあえず見た目は合格ってとこか
ピアスだらけで、チャラい格好でもしてたら問答無用で追い返せてたのに
内心舌打ちをしながら、彼氏とやらに営業スマイルを向ける
「いらっしゃい。祥子、そんな玄関先で話さなくても、早く上がってもらったら?」
「そうね。どうぞ上がって下さい。すぐお茶いれるから。祥希ちゃんも早く」
「うん。悠太くん、どうぞ」
「あ、うん。お邪魔します」
ほう、彼氏とやらは『悠太』っていう名前なのか
キラキラネームじゃないってことは、親御さんはしっかりしているんだろう
ますます面白くない
いや、いいことなのか
どっちなんだ?
「……郎さん。慎一郎さんってば」
「ん?え?祥子?どうした?」
「何ブツブツ言ってるの?」
「あ、ごめん」
「おかしな慎一郎さんね」
そう言って妻は軽く笑いながら、コーヒーを持って行ってしまった
僕もその後をついていく
祥希子と彼氏とやらが楽しそうに話しているのを見て、またため息をついた