闇にのまれた光
始まり
西暦5×××年。
闇と光が交わる世界。

闇には狂った人間が。
光には心清らかな人間が。

混じり合えば闇になる。
光は闇には勝てない。
闇にのまれる光は、誰ひとりとして笑わない。

ただただ絶望を感じ、怯え、失望し、そして死ぬのだ。

『アハハハハハっ』
闇には少女が一人。
孤独な少女は、血まみれになりながら、悲しい笑顔で笑う。

『…苦しいなぁ。』

闇にのまれた光。
生き延びても、未来は優しくしてくれない。
そう、彼女は光だった。
闇にのまざるを得なかった。

自ら身を投げた少女は、感情を無くし
、動く人形となりはてた。

少女は自らが殺した光の死体に見向きもせず、踵を返して闇に紛れる。






まるで人間を拒絶する、か弱い動物のように。
< 2 / 28 >

この作品をシェア

pagetop