闇にのまれた光
悲しき殺し屋
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『ん……』
夜の2時。私は目を覚ました。
…行かないとね。

私は魔法で服を着替え、返送を外した。


『finaleの……始まりだ。』

そう一言つぶやき、窓に足をかける。

ガチャンッ
レン「月羽、どこいくの。」
その視線はキツイものだった。

『遊びに行く。』
レン「どうしてそんな格好してるの」
『目立ちたくないから』
レン「お願い。嘘つかないで。月羽……どこ行くの。…どうしてそんなに悲しそうな顔するの……」


言えない、レン。
すまない。
『時が来るまで、待ってくれ。』
レン「月羽っ!」
私はすぐにその場を離れ、屋根を駆け抜けネオン街へ向かった。


カツッカツッー
今回は路地裏。暴走族を殺そうとするマフィアがいるらしい。

暴走族に、敵を殺せと命じられた。

ガキッ
ゴンッ!!
もう、すでにおこなわれていたか。

『やぁやぁマフィアさん方こんにちは。今宵はよい夜ですね。』

男「誰だ?お前もやられたいのか……?ククッ」
はっ
やられるのはお前達の方だ。

『あははっ面白い事を言うんですね……
貴方もおしりのはずでしょう?

虐風を……
あはははははっ!!
赤い満月が上がるが上がる上がる上がる!!!

楽しい宴はまだかなぁ!!』

男「ヒィッ!!!!」
『ビビってんじゃねぇよクズが。
あはっ!!
暴走族の方に頼まれましてねぇ!!!!!!!!!!


上がる上がる上がる上がる上がる上がる!!!!!!!!!!

さぁさぁさぁさぁ!!!!
楽しい宴の始まりだァァ!!!!!

さぁて……今夜はどんなお味かなぁ……?』

バシュッ!!!!!!!
逃げ惑う男達をひとり残らず殺して、地面に着地した。

傷を負った者が2名。
無傷な者が十名。

皆、私を見て怯えていた。

『……怪我をしているな……。』
?「や、やめろ!!
殺すなっこいつらは殺すなっ!!」

……殺さない。
『殺さない。
俺は依頼を受けた者の通りに動く。

安心しろ。お前達を無事送り届けることも、依頼だ。
すまない、お前達の仲間に治癒を施す。
何もしないでくれないか。』

そういうと、皆が静まり返った。

私が目を移すと、みるみる内に緑の光に包まれ、怪我が消えていく。

10秒後ほどには大怪我だった傷が跡形なく消えていた。

?「な、なにもんだよ……っ」
『俺は虐風。世界No.1の殺し屋だ。』

そういった途端、場所が変わった。
暴走族の倉庫だ。
そこには……五十人ほどしかいなかった。

……ここは強いな。
そこら辺とは違う。


下っ端「みんなっ!!!……お前誰だ……?」

威嚇をする男達。

『上を呼べ。借りを返しに来たと伝えろ。』

カタンッー
?「聞いてるよぉ。」
総長「すまない、手をかけさせてしまって。」

幹部達が2階から出てきた。


『何を今更。俺は殺し屋だ。』
副総長「それにしても……全員無事で帰ってくるとは……マフィアが手をかける前でよかったです。」

?「ち、違うんす!
こいつが……俺たち二人重症だったから魔法で助けてくれて……」

総長「どういう事だ?殺し屋がなんのつもりだ。」

『俺は頼まれた以外の命を潰す気は無い。』

幹部「あはっ殺し屋らしい答えだよねぇ~」

『失礼する。』

総長「待て。」
……
『なんだ。』
総長「顔を見せてくれないか。」

顔?
『何故だ。』
総長「世界No.1がどんな顔か、見てみたくなっただけだ。……まぁ、無理だろうけどな。」

『あぁ。
またの依頼を待っている。
今宵の楽しい宴をくれて感謝します、依頼者様……ククッ
さぁさぁ宴は閉じました。
皆さんお眠りを……』

シュッ
俺は跡形もなく消えた。
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