闇にのまれた光
"悪い人"
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『はぁ……』
レン「……酷い人だね。月羽を見て悪い奴だなんていうなんて。失礼だよ。」

レン少し怒った顔で呟いた。

『……そうだね。』
レンには言えない。言いたくない。
人を殺し続けていること。
殺し屋になったこと。
この手で何千人と殺めたこと。
残虐な殺し方をしていること。


レン「月羽。

何か隠してる事、無いの?」
……レンなら、双子の片割れなら、私の変化に気づいてしまう。

知られたくない。

そんな感情が頭を渦巻く。
『……何も無いよ?』

そう言うと、レンは悲しそうに笑った。

レン「何かあったら言うんだよ。
何言われようと月羽のそばからは絶対離れていかないから。」

レンの優しさが私を傷つける。
胸にナイフが刺さったようなチクリとした痛みが走った。

それはきっと、罪悪感と言うものだろう、

『うん。』
話せる時になったら言うから。
お願いだから、レン、それまで待ってて……。

家に帰った時にはもう夜の11時を過ぎていた。

裏庭でずっと喋っていたからだ。

レン「ご飯食べないとね」
『いや、いいよ。レン食べてて。もう寝るから。』
レン「食欲ないの?」
『魔力で体を管理してるからいらない。』

レン「そう?じゃあおやすみ。
いい夢を。」
『おやすみ。』

ガチャンッ
……仮眠、とるかな……。
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