失恋の傷には媚薬を
姉が亡くなってから
健ちゃんに彼女ができていた
私の両親にも何故か紹介して
二人とも喜んでくれていたそうだ
『別に紹介しなくてもいいでしょ?彼女が不安がるんじゃないの?』
「俺が世話になった二人だから、て言ったら大丈夫だったよ。まぁ実際、世話になったし迷惑もかけた。で、楓はどうなんだ?今、幸せか?」
迷惑か、
健ちゃんとこんな風に話せる日が来るなんて
思いもよらなかった
『うん、幸せよ』
笑顔で答えると
健ちゃんは困った顔をしている
『…なによ?ダメなの?』
「…幸せか。俺は楓に幸せになってほしいって心から思う。自分の手で幸せにしてやりたかった…でも、それを壊したのは俺自身。だから、こんなこと言う資格なんてないのわかっている」