失恋の傷には媚薬を
『よくわかったわね?お母さんから聞いたの?』
「うん、こっちに用事があってさ。まぁ、ついでに楓の元気そうな顔を見て帰ろうかと…、おばさん達を安心させてやりたいし」
まだ実家に出入りしているんだ、と
半分呆れてしまうが
最後に会った時の顔とだいぶ違う
『なんだかスッキリした顔ね、健ちゃん』
「そうか?まぁな、充実してるからな」
姉が亡くなり
幸せな生活を送っているのは
私だけではない
健ちゃんもある意味被害者だ
『なになに?彼女でもできた?』
たわいもない話をしながら
健ちゃんとの時間を楽しんだ
亮平さん以外の人と話すのは久しぶり
なんだか懐かしさもあり
いつも以上に話していた