失恋の傷には媚薬を


「今日はこのまま泊まろうか?」



何度抱き合い、何度果てたかわからない
気がつくと終電を逃していた
身体中が汗なのか唾液なのかわからないが
ペタペタして嫌な感じだ
今すぐシャワーで洗い流したいが
そんな元気はなく
このまま眠りにつきたくなる



「何かあったのか?」



私の顔を覗き込むように
亮平さんは聞いてきた
何かあったかと言えばあった
でも、もうどうでもよくなっていた
だって、私は亮平さんを失いたくない

真実を知りたい気持ちはある
でま、それで
亮平さんを失うのは嫌だ



『…ううん、ちょっと発情しただけ』



ふふっと笑いながら
また亮平さんの腕に絡みつき
何度も亮平さんの腕にキスをする


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