失恋の傷には媚薬を


「言われるまで忘れていた俺に苛立っていた。そして脅してきたんだ。知り合いだったことを楓に言うって。もしバラされたくないなら1日デートしてって…」



デート…
健ちゃんが見たのは、デート
亮平さんと姉が、デート?

そう思った瞬間
終わった、と思った
姉がそんなチャンスを逃すわけない

でも亮平さんの答えは違った



「もちろん断った。俺は何もしていないから。楓に言いたきゃいいし、やましいことは何もないんだから。それにデートなんてしたら、それこそ楓を傷つけることになる」


亮平さんは
達彦や健ちゃんとは違う

ホッとした気持ちと
亮平さんを信じていない自分に
腹正しさがこみ上げてくる

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