失恋の傷には媚薬を
「笹倉、食え食え」
ジュー、と
煙を上げ網の上の肉の脂が
キラキラと輝いて見える
ゴクン、と唾を飲んでしまうほで
美味しそうだ
「笹倉。さっさとたべろ」
横峰部長の声はハッとし
目を覚ませっ、と頭を横に振る
『部長、先にお話を…』
そう、部長は
私に話があるといい
食事をしながら話そう、と
焼肉屋へと連れて来たのだ
「まず食ってからだな。肉が冷めちまう」
『いいえ、話が先です』
肉が冷めから美味しくない
そんな理由はどうでもいい
部長が言う話が気になり
焼肉どころではなかった
もしかしたら
部長が撤回してくれたのかと
少しの期待があった