失恋の傷には媚薬を



「笹倉、俺とマジで付き合おう」



肉をひっくり返しながら
部長は私に告白をしてきた


「ほら、肉焼けてるぞ」



それが何も無かったかのように
部長は接している
私の空耳か?と思い
どうも、と肉を取り口へと入れる


美味しい、と
白米を口に運ぼうとした時



「日曜日、出かけようぜ」



ほら、と
また肉が焼けたと言う
でも今のは空耳ではない
ハッキリと私の方を見て言ってきた
口を開け、口へと入り損ねた白米は
箸の上のままだ



「何マヌケな顔してんだ」


笑いながら
またジュー、と肉を焼いている部長



『…部長、今私に告白、しました?』


こんなこと聞くなんて恥ずかしい
でも念の為に確認をした

< 96 / 362 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop