* switch *
私は 離れの部屋で1人で眠り、朝起きた。

…のはずなのに、後ろから抱きしめられて 身動きが取れない。

翔君、それなら昨日おやすみのキスした後 お別れしなくてもよかったのに…と思う。

翔君を見たくて 後ろに体の向きをそおっと動かして移動する…

私は思考が一時停止────。
明らかに翔君ではない人、翔君のお兄さんがいた…


あり得ない──────。
えっえ──────?


「おはよう。月夢。良く眠れた?」


お兄さんは起きていたみたいで、普通過ぎる挨拶をされ、しかも呼び捨て?


「おはようございます。お兄さん、あの…」


「勝手に布団の中に入ってて、びっくりした?」

「はい。それに…お兄さん困ります。服何で着てないのですか?」

「これ?普通だよ。基本服は寝る時は着ない。月夢も そうしなよ、解放感が癖になるから…。今から試してみる?クスッ」

「いや///遠慮しておきます。私は今のスタイルで大丈夫ですので、お兄さん…」

「なぁさっきからお兄さん、お兄さんってやめてくれよ。俺の名前は綾人(あやと)。特別に月夢には呼ばせてやる。呼んでみろよ。」


私呼ばないとダメなの?何だか すごく昨日と違う扱いだし、上からグイグイ命令されてる?


「あのお兄さん、私には色々ハードルが高過ぎて無理です。なのでごめんなさい。」


「俺の回りには絶対いないタイプで萌えるよな///なぁ マジで翔やめて俺の彼女にならない?」


バタン───


「なる訳ないだろ?兄貴、何してんだよ?月夢に何した?」


「チッ…」


これは…ヤバい展開?こんなの想定外で、科学以外の対処法は 私には無理で…

そうか、その手がある───。
ベッドから降り 置いていた鞄の中から取り出した物で 事態を収集することにした。




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