ブーケ・リハーサル
本当にとんでもないことを言わないでほしい。
副社長は「えー」と子供みたいな声を出した。
「本当に無理ですから」
「いや、できる。試しに呼んでみよう」
副社長の目が、呼んで、呼んでと訴えかけてくる。
「ひ、浩紀さん」
「うん。呼べたね、由梨ちゃん」
名前で呼んだことも衝撃だけど、名前を呼ばれたことも衝撃だった。
びっくりして、固まっていると「ほら行こう」と言って、副社長に手首を掴まれた。そのまま手を握られそうな気がして、さりげなく手首を動かす。すると手は簡単に離れた。
駅から歩いて十分のところにプシュケはある。シンプルな店内には、色とりどりの服が並べられている。
「いらっしゃいませ」
「彼女がパーティーに着ていくドレスを探しているんだ。何着かおすすめのものをお願いします」
「かしこまりました。どうぞこちらへ」
店員さんに案内され、二階のフロアへと向かう。一階はカジュアルな服をメインにおいているらしい。二階に行くと、キラキラとした世界が広がっていた。
副社長はソファに座り、私はフィッティングルームでサイズを図られた。
「お客様は九号ですね。デザインや色にご希望はありますか?」
「仕事関係のパーティーなので、露出は少なく、色も控えめなものでお願いします」
副社長は「えー」と子供みたいな声を出した。
「本当に無理ですから」
「いや、できる。試しに呼んでみよう」
副社長の目が、呼んで、呼んでと訴えかけてくる。
「ひ、浩紀さん」
「うん。呼べたね、由梨ちゃん」
名前で呼んだことも衝撃だけど、名前を呼ばれたことも衝撃だった。
びっくりして、固まっていると「ほら行こう」と言って、副社長に手首を掴まれた。そのまま手を握られそうな気がして、さりげなく手首を動かす。すると手は簡単に離れた。
駅から歩いて十分のところにプシュケはある。シンプルな店内には、色とりどりの服が並べられている。
「いらっしゃいませ」
「彼女がパーティーに着ていくドレスを探しているんだ。何着かおすすめのものをお願いします」
「かしこまりました。どうぞこちらへ」
店員さんに案内され、二階のフロアへと向かう。一階はカジュアルな服をメインにおいているらしい。二階に行くと、キラキラとした世界が広がっていた。
副社長はソファに座り、私はフィッティングルームでサイズを図られた。
「お客様は九号ですね。デザインや色にご希望はありますか?」
「仕事関係のパーティーなので、露出は少なく、色も控えめなものでお願いします」