ONLY YOU～愛さずにはいられない～(完）

「この見合いは伊集院家の影の当主・『帝和銀行』の副頭取が勧めた見合い。見合いをぶち壊した以上は間宮さんにもそれなりの責任を取って貰わないと」

「それは相良さんが…」

「当面は康秋の彼女になって貰うよ！！」

「えぇ～っ！？」

「後は二人で話をしてくれ。俺からは以上だ…」

相良さんは私と伊集院さんを残し、手をヒラヒラさせて立ち去った。

「虎兄のヤツ…」

彼は元の椅子に腰を下ろして、冷めたコーヒーを口に含んだ。

「間宮も座ったら？」

彼に促され、椅子に腰を下ろして、コーヒーをオーダーした。

「本当にすいません…」

「・・・」

「相良さんの言う通り…当面貴方の偽カノにならないといけませんか？」

「まぁ、そうなるかな…」
彼は語尾を濁し、また、コーヒーを口に含む。