ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
彼の腕枕の中で、ピロートーク。
「・・・璃愛君には真実を話しておこうかと思う…驚かないで訊いてくれ」

もう少し砕けた話だと思っていたから、私も真剣な顔になった。

「実は俺の本当の父緒なんだけど…」

「えっ?あの俳優の天城康之じゃないの?」

「戸籍上はそうなんだけど…血縁上、俺の父親は敦司さんなんだ」

「元総理が?康秋さんの父親?」

「俺は二人が一夜の過ちで生まれた子供なんだ…でも・・・俺が真実を知ったのは七年前の話だ…」


『一夜の過ち』

ザクッと計算すれば、康秋君は元総理が十九歳の時に生まれた息子。

「俺の亡くなった母は天城康之と交際していて、良く泣いていたそうだ。
そんな母の相談役だった相手が敦司さんで…敦司さんにとって母は初恋の人だと言っていた。
伊集院家ではいとこ同士の恋愛や結婚は一族の繁栄にならないと禁じられていた。…でも・・・二人は一度だけ一線を越えてしまった…それで母は俺を身ごもって…」


康秋さんの母親と元総理がキチンと結婚していれば、彼の人生は大きく変わっていたかもしれない。



私は香波さんの心臓が移植されるコトなく、十四歳でこの世を去っていたかも。


「・・・でも、俺は今の人生に後悔はしていない…」

「・・・」

「香波の名前は訊きたくないかもしれないけど…俺は香波の分まで璃愛を幸せにする…何れ、知るコトかもしれないから…俺の口から話した…でも・・・君の口からは誰にも言わないで欲しい」

「分かっています…」

「なら、いい…」





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