ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
《20》父と子

康秋side-

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「渡辺は他のセクターの仕事で忙しかったので、俺が代わりに大阪へ赴き、『トーエー電機』とのコンサル契約をしました。これが契約書です。社長」

俺は敦司さんに契約書を見せる。
「新規でしかも大口の仕事だ。こちらとしては絶対に成功しなければならない。プロジェクトリーダーは渡辺に任せるのか?」

「そのつもりです」

敦司さんは契約書に目を通しながら話を続ける。

「お前も忙しいからな…」

「渡辺は信頼できる部下です。大丈夫だと思います」

「お前のお墨付きなら、大丈夫だな…」

「それよりも・・・折り入って話があります」

「何だ?」

「俺と間宮さんの結婚式披露宴なんですが…」

「雷造叔父さんは何て言ってた?」

「出来れば、早い方がいいと・・・」

「それなら、早く決めるんだ…」

「勝手に決めていいんですか?」

「お前と間宮さんの結婚だからな…」

「ハネムーンを兼ねて二人だけ海外で挙式しようかと思うんですが…」

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