誠の華−ヒルガオ−
土方の部屋に集合した私達。
室内の空気を察するところあまり楽しいお話ではなさそうだ。
最後に入って来た近藤さんが座布団に腰を下ろすと、土方が口を開いた。
「お前らを呼んだのは他でもない、凛達の事だ」
四日前の晩に私たちが捕らえた忍び達。
あの日以来彼女の話題が私たちの間で出たのは初めてだった。
忘れていたわけではない。
なんてったってあんだけ白熱した戦いを繰り広げたのだから簡単に忘れられるわけない。
私達はきっとわざと避けていたんだ。
あの日の永倉と凛の間に見えた因縁に気づいたから。
憎しみに満ちた永倉の顔を見てしまったから。
聞きたかったけど聞けなかった凛のその後。
一度深く息を吸うと土方の声に耳を傾けた。
「あの晩から繰り返し拷問を行い少しだけ情報も得られた。だが…」