内実コンブリオ
会社の駐車場に到着し、2台の車からそれぞれが降りる。
顔を互いに合わせた時、自分が何となく会釈をすると、角野先輩は「今から仕事しやなあかんのかー、嫌やなあ」と愚痴った。
だからといって、何か会話が始まるわけでもなく、社員入口の前までやってきた。
しぶしぶ中に入り、報告を済ませれば、それぞれの席に座る。
もしかしたら、自分のことだから今日残りの一日を報告書で潰してしまうかもしれない。
今日昼までの大イベントを終えた自分は、そんなことを思っていた。
ほぼ1ヶ月をかけて、みっちりと準備していたことが失くなってしまったのだ。
少し開放的な気分になる。
それが、無性に嬉しかった。
ここ最近はお昼休憩に入ると、当たり前の様に森緒ちゃんが、一緒にお弁当を食べようと誘ってくれる。
この昼の時間というのは、もう淋しくはなかった。
これもあの時、書庫でうずくまる森緒ちゃんと出会っていなければ、こんな充実感は得られなかったのだ。
しみじみ想うと、何だか泣けてくる。