内実コンブリオ
ファミレスに到着してから、未だに何も注文していなかったことをいいことに、自分はとうとう行動に移した。
「じゃあ、あとはお二人でごゆっくり」
「えっ、ちょっと、華?!」
二人が仲直りしようとしまいと、結局、自分は途中で帰ることになっていたのだ。
それならば、どのタイミングで帰ったって、同じことだ。
いつまでもここに居座ったって、お邪魔虫にはやはり違いない。
少し腰を浮かせた自分の腕を、森緒ちゃんがしっかりと掴む。
「待って!ほんとに帰るの?!そもそも帰れやんやん!帰り道わかるん?」
「うん。ここら辺、意外と知ってる。仕事の戸別訪問の時とかに、電車とか使って、来たことがあったから」
「そうなん…?」
「うん。やから、ご心配なく。二人でゆっくり話してみて?」
それでも、やはりまだ不安げな表情を浮かべる森緒ちゃんに、できるだけ優しく耳打ちをした。
できるだけ、いつもの倍、優しく微笑むように心がけた。
いつも彼女がしてくれるように。