内実コンブリオ
「あ、はい。えっと…6個入りを一つ」

「6個入りね。320円です。9番で待ってて」



自分は代金を手渡し、手作り感満載の番号札を受け取った。

少しカップルから離れた位置にある、丸椅子に腰かける。

でもそこは、おじさんの正面でもあった。

しばらくすれば、じゅっ、と鉄板に生地を敷く良い音がした。

思いの外、自分もお腹がすいていたらしく、音に反応して顔を上げる。

その時に、おじさんと目がばっちりと合った。



「お嬢さんは一人?」

「へっ?あ、はい」



少し油断をしていた。

すると、おじさんはそんな自分を見て、優しく笑っている。



「あ、でもこの後、夕方から会う予定なんです」

「へえ。その人が恋人かい?」

「いっ、いえ!違います!」



思わず、自分はその場で立ち上がる。
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