内実コンブリオ



その田園たちは、藁が敷き詰められているところもあったし、既に荒起こしを終えているところもあった。

ここら一帯の冬支度は、とうに済んでいるのに。

その湿った茶色や黄土色をした目前の風景は、自分を一人、置いてけぼりにした様だ。

自分は、寒い外に放り出された。

みんなは、誰かに寄り添って。

自分だって、家族となら友人となら、気兼ねなく居られるのに。

異性となると、心身ともに強張って、疲れてしまう。

胸をきゅっ、と締め付けられるような思いがした。

でも、ふと森緒ちゃんの表情が思い浮かんだ。

今朝、車から降りて、彼氏さんの家に向かっていた時の顔だ。

緊張していて、とても気を張っていた。


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