内実コンブリオ

少し顔を洗って、身なりを整えたら、もう家を出てしまうことにした。

先程、カゴから取り出したチョコレートを、これから使う鞄の中に押し込む。

そして、再び家を空けるのと、出かける準備のために自室を行き交った。

全ての確認を終え、玄関から出る。

鍵が締まる音をしっかりと聞いて、本日、二度目の出発をした。






約束している最寄り駅に到着してから、そこのベンチに居座って、早30分。

栗山くん自身はおろか、連絡すらも来ない。

これはどうしたものか。

忘れられているのだろうか。

それはそれで、辛いものがある。

しかし、自分のことなので、もうしばらく待ってみようと思う。
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