内実コンブリオ
ここで普通の女の子なら、どうするのだろうか。

「怒って帰る」?「待ち続ける」?

自分の頭の中には、2つのプラカードが現れた。

もし「待ち続ける」という選択肢があるのなら…

いやいや!ここで大事なのは、自分がこの後どうなりたいのか、ということ。

それなら、自分は。



「…あと1時間、待ってみようかな…」



ここまで外で待っていると、流石に体は冷えきっていた。

冬の夜の寒さは、やはり厳しい。

自販機で温かいものを飲もう、と立ち上がる。

長いこと腰をかけていたので、少し体に怠さを感じた。

そして、自販機の前まで来ると、また悩む。



「コーンスープか、ココアか…」



しばらく悩んだが結局、自分が選んだのは、ミルクティーだった。

コーンスープやココアは、今の自分にはあまりにも甘過ぎる気がする。

ベンチに戻り、ミルクティーの蓋を開けようとした時、ちょうど電車がホームに入ってくる音がした。
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